我々、災害語り継ぎネットワーク発起人会のメンバー、及び世界の被災地の代表者は、
昨日及び本日の2日間にわたり神戸に集い、
世界災害語り継ぎネットワークの設立について論議を交わした。
過去に災害を経験した多くの人が、自身の体験と教訓を、
広く、世代を超えて語り継ぐ必要性を認識しており、
それら被災者の体験談は、被災経験のない人の心をも揺さぶり、
将来の災害に備え具体的な行動を起こす必要性を喚起する。
しかしながら、災害の爪痕や教訓は往々にして被災者や社会からすぐに忘れ去られるため、
こうした災害の語り継ぎを継続するには多大な努力が必要である。
個々の被災者による災害語り継ぎの効果は非常に限られたものである一方で、
その教訓を学ぶべき人は全世界に存在する。
したがって世界各国で多様な形態により「災害語り継ぎ」活動を行う個人や団体が、
共通の目的に向かい団結し、互いに奨励し、支援しあい、全世界に向けて声をあげることで
「災害語り継ぎ」の効果を高める必要がある。
設立総会の閉会にあたり、我々は上記の認識に基づき、ここに宣言する。
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災害の語り継ぎの効果を相乗的に高め、世界中の人々の防災意識向上に寄与することを目指し、
世界災害語り継ぎネットワークをここに設立する。
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我々は過去の災害に関する博物館の展示や、映画、絵本、音楽等の教育的手段を通して
「災害語り継ぎ」活動を実践する個人や組織を、メンバーとして歓迎する。
また「災害語り継ぎ」の趣旨に賛同する人々もサポーターとして同様に歓迎する。
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我々は、メンバー相互の協力の下、関係する情報や知識の収集や普及を行うための
ウェブサイトの運営や印刷物の作成、相互の学び合いや議論を行うための定期的な会合の開催、
国際社会の関心を喚起するための会議への参加、
必要に応じて被災地に所要の助言を行ったりするためのミッションの派遣などの活動を精力的に行う。
2006年1月20日
神戸(兵庫県)にて
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