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災害は人々が幾世代にもわたって積み重ねてきた生活や生命を一瞬にして破壊してしまいます。悲しみに満ちた災害の記憶は、しかし、それゆえに、命の尊さやともに生きることの大切さ、自然の脅威などを、痛切なリアリティをもって私たちの胸に刻みつけるきっかけにもなります。 多くの被災地で、災害の体験や教訓を言葉や映像、事物や記念碑、芸術活動など様々なかたちで語り継いでいこうとする活動が生まれています。そうした活動は、地域の歴史を伝え、人々との絆や自然との共存の在り方、そしてかけがえのない命の大切さを考えさせるものです。語り継ぎは、生命や環境を守るという人びとの意識を高め、被災地の復興や、災害に強い地域づくりを進める原動力にもなり、さらには地域を越えた連帯の意識を生みだすなど、社会全体にとって多くの可能性を持った、大変重要な活動です。 しかし、こうした語り継ぎの可能性は、残念ながら現状では十分に認知されているとはいえません。世界の各地に災害の語り継ぎに取り組む人たちがいる一方で、そうした人びとを結びつける大きなネットワークは、まだできあがってはいません。また、語り継ぎの在り方についても一層の研究が必要です。 このような問題意識のもと、私たちは、阪神・淡路大震災の記憶が残る神戸の地で、2010年3月、「世界災害語り継ぎフォーラム」を開催することにいたしました。世界各地で災害の語り継ぎに取り組む人びとの交流を深めること、語り継ぎの重要性を広く訴えること、語り継ぎの意義やあり方を検討しあうこと、災害の語り継ぎを各地でさらに促進し、将来の災害に立ち向かう力を育むことが、このフォーラムの目的です。 |
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